なぜ料金表をHPに出していないのか
同じ「業務改善」「仕組み化」と言っても、関わる業務の数、関係する人の数、判断の重さ。
このあたりが、相手ごとにかなり変わってきそうだと感じています。
たとえば、ひとつの作業だけ整える話と、いくつもの業務を順番につなげて整える話とでは、必要な時間も、責任の重さも、しっかり違ってくると思います。
同じ言葉で依頼されても、開けてみると別の仕事だった、ということが起きやすい領域なのかもしれません。
そこに「だいたい〇〇円です」と書いてしまうと、相手はその数字を基準にして判断することになります。
安い数字が頭に残れば「見積もりが思ったより高い」と感じられ、高い数字が頭に残れば「うちには関係ないな」と離れていく。
どちらも、お互いにとってもったいない結果になりそうだと感じています。
正直に言うと、自分の納得のためでもある
料金表を出さないのは、相手のためだけではないと思っています。
自分が引き受ける仕事の中身に対して、自分が納得して値づけしたい、という気持ちのほうが強いかもしれません。
話を聞かないまま値段を決めてしまうと、自分の中でしっくりこないものが残ってしまう気がしています。
お互いに正直でいられる関係でいたいので、最初の1時間で話してから決める、という形にしています。
価格より先に、見ておきたい3つの軸
価格の話に入る前に、まず一緒に確かめたいと思っていることが3つあります。
言葉にしておくとこういう順番です。
- 規模: 関わる業務がいくつあるか。どの範囲まで一緒に動くか
- 期間: 1回の相談で終わる話か、数か月並走する話か、もっと長く関わる話か
- 関与の深さ: 経営者さんが一緒に手を動かせるか、ほとんどお任せに近い形なのか
この3つを順番に話していくうちに、お互いに「これは合いそうですね」「ここはちょっと違いそうですね」が見えてくるんじゃないかと思っています。
価格の話は、その後でいい。順番が逆になると、お互いにしんどくなりそうな気がしています。
もちろん「いくらですか」を先に聞かれることもあります。
その時は、いきなり数字でお答えできないことのほうが多くて、規模・期間・関与の深さを少しだけ聞かせていただけませんか、とお願いするようにしています。
数字を急いで出して、後から「思っていたのと違った」が起きるよりも、少し遠回りでもお互いの解像度を揃えてから話したいなと思っています。
「丸投げしたい人」とは、ここで自然に分かれる
前回も書いた話ですが、関与の深さの確認は、ある意味で「合うかどうか」の見極めでもあるのかなと思っています。
「全部任せたい」という方が悪いということではなくて、いまの自分の関わり方とは噛み合いにくい、ということです。
仕組みは、相手が自分で触り続けられないと、いずれ動かなくなりそうな気がしています。
だから関与の深さは、価格の話よりも先に、お互いに正直に確かめたいなと考えています。
1時間の相談から、始められるようにしています
もうひとつ、正直に書いておきたいことがあります。
いきなり大きな契約を結ぶ必要はありません。
最初は1時間の相談から始めて、業務を1つか2つだけ分解してみる。
そのくらい小さな単位で受けることもできるようにしています。
その1時間で、「この人と一緒にやっていけそうか」をお互いに確かめる。
合えば、次の段階に進めばいい。合わなければ、その時間で終わって構わない、という形にしています。
大きな金額の話を先にしてしまうと、相手も断りにくくなって、合わないまま進んでしまうんじゃないかと思っています。
そうなると、お金を払う側も、受ける側も、しんどくなる。
小さく始められる入り口を残しておきたいのは、お互いの正直さを守るためでもあると感じています。
レンタルサロンPierisでも、まったく同じ考え方で運営しています。
いきなり長期契約をお願いするのではなく、まずは1回のご利用から。続けるかどうかは、使ってみてから決めてもらえばいい。
仕組みを作る仕事も、結局は同じだと思っています。
価格より先に、合うかどうかの話をしたい
5本の連載を通して、自分が何者で、どんな順番で仕事をしたいと思っていて、何を大切にしたいか。
できる範囲で言葉にしてきました。まだ整理しきれていないところも、正直あります。
価格の話は、この3つを一緒に確かめた後でしか決められない。
いまの自分はそう考えています。
「いくらですか」の前に、「うちと合いますか」を一緒に話せる関係を作っていきたいです。
そしてここまで書いてきた『仕組みを一緒に作る』という関わり方を、一対一だけでなく、同じ志を持つ方々が横で繋がれる場へも、少しずつ広げていけたらと考えはじめています。
もしここまで読んでくださって、ちょっと話を聞いてみたいなと思った方がいれば、最初は1時間の相談からで構いません。
売り込みは一切しませんし、合わなければその場で終わって構わないので、安心して声をかけてください。
連載の最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
これからも月曜と木曜のペースで、続きを書いていこうと思っています。